初心者が進めるiphoneアプリ開発

NSArrayクラスでは、変更不可なオブジェクト配列を作成できます。生成時の指定によってautoreleaseされる配列になったり、releaseされないで保持されたりする配列になります。保持する配列の場合は、不要になったら自分でreleaseしてください。

①autoreleaseされる配列

NSArray *arr;
arr=[NSArray arrayWithObjects:@"円",@"米ドル",@"ユーロ",@"ポンド",nil];

②autoreleaseされない配列A

NSArray *arr;
arr=[[NSArray alloc]initWithObjects:@"円",@"米ドル",@"ユーロ",@"ポンド",nil];

③autoreleaseされない配列B

NSArray *arr;
arr=[[NSArray arrayWithObjects:@"円",@"米ドル",@"ユーロ",@"ポンド",nil]retain];

これでNSString型のオブジェクトが4つ入った配列ができます。配列の番号を表すindexは0から始まり、0だと「円」、3だと「ポンド」になります。配列の最後には必ず「nil」が入り、これが無いとエラーになります。

初期化で使用したメソッドは以下です。

◆arrayWithObject
引数で指定したオブジェクトを含む配列を生成して返します。

◆initWithObjects
引数で指定したオブジェクトを含んで新規に割り当てた配列を初期化します。


autoreleaseされるかどうかを確かめてみます。プロジェクト名は「Test」として、「宣言→初期化→呼び出し」を実行します。

「TestViewController.h」の編集

@interface TestViewController : UIViewController {
    NSArray *arr;
}

- (IBAction)arrtest;

@end

「TestViewController.m」の編集

//ビューの初期化を実行する
- (void)viewDidLoad {
    [super viewDidLoad];
    
    //ここで①②③のどれかで配列を生成
}


//ボタンをタップするとコンソール画面にログを表示する
- (IBAction)arrtest {
    //indexが2番のオブジェクトを出す
    NSLog([arr objectAtIndex:2]);
}

このようなプログラムだった場合、①で生成するとボタンをタップしたときに配列「arr」はreleaseされてしまっているため、アプリは落ちてしまいます。②または③で生成すると正常にコンソール画面にログを表示します。



実行結果


また、配列をreleaseするには以下を実行します。

[arr release];